日本が世界に誇る「中小企業の技」「伝統の技」を想いと伴に次世代に伝えていく取り組みとして、様々な場所でキッズワークショップを開催してきました。この取り組みをより多くの場所で、多くの子どもたちへ届けるべく「“ワザ伝”プロジェクト」を立ち上げました。
第一弾を12月9日(土)、熊本県 グランメッセ熊本で「“ワザ伝”プロジェクトinくまもと」を開催しました。今回も、このワークショップをとおして新しい発見をしたり、職人の技に驚く子どもたちの姿をたくさん見ることができました。
協力:飯田水引プロジェクト、株式会社マグエバー、株式会社田中製簾所、熊本大学田口研究室、西原村木もくプロジェクト、木育工房、NPO法人子育て応援おおきな木、マイファニーフェイススタジオ カワバタマイ、日刊工業新聞社
【会議室で行ったプログラム】
「日本の伝統工芸「水引」で自分だけのしおりを作ろう」
「世界最強のネオジムじしゃくを体験」
「伝統工芸江戸すだれでミニランチョンマットを作ろう」
【コンベンションホールで行ったプログラム】
「熊本大学のみなさんと円形木琴、木のスピーカーを作ろう!」
「木のミニティッシュケースを作ろう!」
「プロカメラマンが撮る家族フォトブース」
「小さなお子さんと一緒に楽しめるゆったりスペース」
「新聞について学べる展示」
「第4回こども作文コンクール「感謝の心を、未来につなぐ。」の受賞作品掲示」
「なぞときラリー」
10時オープンと同時にたくさんの子どもたちが来てくれました。
プログラム開始前に、まずはオープニングセレモニー。今回プログラムを提供してくれる講師の方々を紹介。みなさん、当日作る現物をもって舞台に上がってくれました。
続いては、スペシャルゲストの「くまモン」登場!会場が沸き上がります。みんなで元気に「くまモン体操」で体を温めます。くまモンはその後、工具を器用に使って木のミニティッシュケースを作っていきました
©2010 熊本県くまモン
それでは、各プログラムで何を作り、学んだのかを紹介しましょう。
「日本の伝統工芸「水引」で自分だけのしおりを作ろう」
協力:飯田水引プロジェクト
このプログラムでは、水引の本場、長野県飯田市の飯田水引プロジェクトのみなさんが講師を務めてくれました。熊本県益城町で6月に実施した水引のワークショップに引き続いてご協力をいただきました。
子どもたちは水引に込められた思いをここで学びました。たくさん水引を作っている子に「たくさん作っているね」と聞くと「お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちやん、ひいおばあちゃん、親戚のおじちゃんの分を作っている!」と答えてくれました。みんな、それぞれ大切な人のことを思い作り上げていきました。
そして今回、6月に参加してくれた子と再会しました!話を聞いてみると6月の時はうまくできなかったから、またやりたいと思っていた、とのこと。家族のため、お友達のため今回は、上手にたくさん作ることができました。
世界最強のネオジムじしゃくを体験!
協力:株式会社マグエバー
講師は、昨年の丸の内キッズジャンボリー2016でご協力をいただいた株式会社マグエバーの澤渡氏。一人ひとつ磁石キットをもらって、磁石について学びました。磁石が反発する力で音がでたり、磁石が跳ねたりする力を学び、世界最強のネオジム磁石の強さも体験。
参加した子からは「世界で一番強い磁石を知った。骨が折れるくらい強い力ということに驚いた」と今回の参加で新たな発見があったと話してくれました。また、参加対象が3年生以上のため、2年生の子が「来年3年生になったら参加したいからまた来てね」と声をかけてくれました。
「伝統工芸江戸すだれ」でミニランチョンマットを作ろう!
協力:株式会社田中製簾所
講師は、明治時代から続く株式会社田中製簾所の田中氏。昨年の丸の内キッズジャンボリー2016に引き続きご協力いただきました。講師の方から「ちゃんとしたものをちゃんと作る」とモノづくりの基本を学びます。続いて、ミニランチョンマットの制作。プログラム時間は120分ですが、実はミニランチョンマットを制作する時間はギリギリ。
ところが、作り始めると子どもたちの「集中力スイッチ」がオンになり、もくもくと作り上げていきます。中には途中「どこまでやればいいの」と弱音を吐く子もいましたが、参加した1年生から6年生までリタイアすることなく全員、完成しました。
当日参加型のワークショップ
今回のワークショップは地元の方々にもご協力をいただきました。
こちらは当日参加型のワークショップ。準備した材料が全て無くなるほど好評でした。
■熊本大学のみなさんと円形木琴、木のスピーカーを作ろう!
協力:熊本大学 田口研究室
「ちゃんとしたものを作り、大事に使う」をコンセプトに震災後に発足したプロジェクト。準備いただいた材料はすべて熊本県材の木材。子どもたちのみならず大人も一緒になってトンカチを使い、組み立てていました。
■木のミニティッシュケースを作ろう!
協力:西原村木もくプロジェクト、木育工房
「ちゃんとしたものを作り、大事に使う」をコンセプトに震災後に発足したプロジェクト。準備いただいた材料はすべて熊本県材の木材。子どもたちのみならず大人も一緒になってトンカチを使い、組み立てていました。
続いて、こちらは来場者の方がホットと一息つけるコミュケーションスペース
プロカメラマンが撮る家族フォトブース
協力:マイファニーフェイススタジオ カワバタマイ
熊本県益城町で子育てしながら活躍するプロカメラマン、カワバタマイ氏によるフォトブース。家族全員が写った写真をその場で印刷してプレゼントしました。
小さなお子さんと一緒に楽しめるスペース
協力:NPO法人子育て応援おおきな木
6月開催時に引き続き多大なご協力をいただきました。小さなお子さん連れの方がホッと一息つける休憩スペースが好評でした。
新聞について学べる展示
協力:新聞について学べる展示
日刊工業新聞について大人も学べる展示。子どもたちはワークショップに参加した感想などを書いて、オリジナル新聞を作りました。
こども作文コンクール受賞作品掲示・なぞときラリー
今年度実施した作文コンクールの受賞作品の一部を展示。また、プログラムに参加できなかった子にも様々なモノづくりに興味をもってもらおうとなぞときラリーを実施!みんな会場内をまわり、なぞを解いていました。
最後に
6月に長野県の飯田水引プロジェクトの方々と、益城町(熊本県)でキッズワークショップを開催し「また、来ます!」と子どもたちと約束をしてから、半年。約束どおり戻ることができました。
今回、“ワザ伝”プロジェクト第1回目の開催を、縁あって熊本で開催できたこと、本当にうれしく思っています。今回もたくさんの子どもたちの笑顔を見ることができました。みんなの笑顔の横には自分たちで作った“モノ”がありました。作る楽しさ、思いを込めて作ることを学んでくれたと思います。
今回、水引のプログラムでは「水引職人になってもいいかも」と言ってくれた子もいました!その言葉を聞き本当にうれしかったです。
今後も子どもたちへたくさんの技があること、職業があることを伝えるため「“ワザ伝”プロジェクト」を展開してきます。